「まぁ お茶でも飲みましょう!」
学生時代、東北のとある渓流の河原でキャンプをしていた僕に
「君も旅を?」と気さくに話しかけてきてくれた旅人。
彼は慣れた手つきでストーブをセットし、年季の入った「ヤカン」を取り出した。
ポコポコとお湯が沸き、みるみるうちにお湯が琥珀色に変わっていく。
トクトクとマグカップに注ぎ、「ホラよ」と僕に差し出してくれた。
その時のパーコレーターで煎れたコーヒーの美味しかった事。
きっとソレはコーヒー自体も美味しかったのだけれど、彼の「旅話」っていうとても楽しく
興味深い隠し味があったからに他ならない。
そして僕が初めてパーコレーターたるものを知った日でもある。
焚火を囲み僕らは夜更けまで語り合った。
それから数年後探し続けた逸品をみつけた時の嬉しさ。
とっくに廃番になってしまった旧型の「スノーピーク」
今はケトルの代用としていつもキッチンの側に・・・・
そしてあの時の旅人が巨匠だったとはその時は知る由も無く
今も僕のアウトドアライフの指針になっている。
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